江戸期　貴重文化財　浮世風俗子宝合　渓斎英泉（ケイサイエイセン）　晩年の作制作年天保頃

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江戸期　貴重文化財　浮世風俗子宝合　渓斎英泉（ケイサイエイセン）　晩年の作制作年天保頃

寛政3年（1791年）- 嘉永元年7月22日（1848年8月20日）
制作年　天保（1830～1843）頃
マウント部　約40cm×56cm

「しろかねも　くがねもたまも　なにせむに　まされるたから　こにしかめやも」　山上憶良

絵師についてはインターネットでお調べください。河鍋暁斎と同様で、日本画と浮世絵の両方を習得した類まれなる絵師です。
国内・国外を問わず、博物館・美術館・個人での所蔵は確認はできず、非常に貴重な浮世絵です。他にないものゆえ、所有者たちは大事に保存に努めてきた形跡が細かな修復箇所から分かります。しばしば見かける、当世子宝十景とは異なる作品です。とても細密に描かれた線を卓越した技術で彫り・擦られた1800年代の作品です。その集中した注意深さが見る人を惹き込む力を宿しているように思います。唯一、復刻の絵葉書のみ確認が取れています。浮世絵協会の方も非常に珍しいと仰られていました。
経年による焼け・シミ・退色が見られますが、経過年数や貴重性を考慮すれば、この一枚の浮世絵の価値はそれをしのぐと思います。

何が真実なのか。
思い出すのは、ロダンが老人をモデルにブロンズを作ったら、生き生きとした若い男性像になった話である。高村光太郎氏が書いていたと記憶します。何故なのかといえば、生きていこうという生命力や意志を強く感じたからだということでした。見た目と実物が違うものについての真実性である。しかし、自らがある対象と対峙したその瞬間を切り取って第三者に伝える場合、年齢や老いた姿ではなく、そのことを一番強く感じたのであれば、この作品は何よりも真実に近い。ここに芸術を考える上での大切なことがあると思う。
目に見えるものはすべて嘘というような言葉がある。
カメラもビデオもない時代、優れた絵師は、その瞬間を永遠に残して生かそうと考えた際、様々な考えを導き出したように思います。見てください。この、母の背で身をよじる子に驚いて、何が起きたと振り返る母親の表情、そして、みなもに映る人の顔（子供は自分の顔が映ったとは思っていない）に手を伸ばして近づこうとする瞬間です。この浮世絵は、見事にその瞬間の真実を切り取っています。

本説明は私の主観であり、何かを保証するものではありません。作品は現状有姿で提供されます。購入後の対応はいたしませんので、事前にお問い合わせくださいませ。